ChatGPTをはじめAIが世の中を席巻しているなか、少し前までトレンドだった仮想通貨はもはや見る影もありません。

あとあといくつか検討したいと思いますが、仮想通貨が一瞬のバズに過ぎなかった理由は、つまるところ

別に便利じゃないから

の一点に尽きると思っています。

仮想通貨はなぜバズったか

仮想通貨は確かにいっときのトレンドではありました。仮想通貨があまりに流通したらどうしようかと各国政府が警戒するほどでした。

しかしその中身を考えれば、それは単なるゴールドラッシュだった、と言えるでしょう。

仮想通貨がトレンドだった時、メディアのほとんどは「仮想通貨長者」たちを取り上げました。そうして世間は、仮想通貨とはなにやら儲かるらしい、という印象を持つようになりました。まさにゴールドラッシュです。自分も儲けをつかみたいと、人々は関心を寄せ、話題を呼んだのでした。

しかし普通の投機と同じく、ごく最初に入った人たちが勝ち逃げしたら、もうあとは稼ぎのタネはほとんど残っていません。そうやっていっときすごくお金持ちになった人たちが現れて、そのあとに入った人たちはもう稼げなくて、なーんだといって萎んでいったのです。

テレビや新聞などは仮想通貨ブームに合わせて、ブロックチェーンの仕組みやら技術的なすごさを伝えはしました。人々もそれを見て、ふーん何やら新しい技術なんだね、とは思っていたとは思います。

がしかし人々はそれで騒いでいたのではないのです。人々はその革新的な技術と未来に興奮していたのではないのです。

どこそこの仮想通貨を買った人はこんなに儲かったらしい、あそこの仮想通貨が昨日暴落したんだって、仮想通貨の脱税が取り締まられているらしいよ・・・分かりやすく金の話で盛り上がっていたに過ぎないのです。

だからその結果、もう稼げないと知ると今までの熱狂はみるみる冷めてしまいました。

仮想通貨に潜む性質的な問題

仮想通貨は、本来の理念で言えば、非中央集権的な通貨たることが理想のはずです。しかしその理想は次のような理由から叶うことは難しいでしょう。

1つ目の問題

まず最初の問題は、別に今のお金のシステムにだれも困ってない、ということです。日本政府が管理する日本円、アメリカ政府が管理するアメリカドル、そういう今のお金・通貨を利用している毎日に、普通の人はなんら問題を感じていません。

「ああまったく、今の通貨は中央集権的で困るよ」なんて不満に思っている人はいません。自分たちが日本円を使用していることにそもそも意識すら向けていません。

仮想通貨の最初の大きな問題はそこにあります。日本円を捨ててビットコインに乗り換える理由が別にない、ということです。

2つ目の問題